1.事業の目的
〜地域の優秀な若者を中小企業が採用・育成し、
地域で活躍してもらうための、地域ぐるみの人材確保事業〜
日本経済に力強さが戻り、大企業の新卒採用が一層積極的に行われるようになっており、特に東海地域は経済が好調で求人倍率が高く、三重県も1.4倍台が継続し、全国でも最も求人倍率が高い地域となっています。
地域の中小企業ではこれまでも求人に対する未充足が大きく、さらに採用状況は厳しくなり、「若者が大企業や周辺の大都市部に流れ、新卒募集をしても若者を確保できない」という危機感が強まっています。
さらに「若者が大企業に流れ、新卒募集をしても若者を確保できないのではないか」という危機感があり、一部には若年者の採用をあきらめる企業もみられる状況にあります。
そこで、三重県商工会議所連合会は、昨年度に引き続き、優秀な若者を採用したいという中小企業の人材確保を支援するため、中小企業の採用ノウハウを向上させると共に、情報発信やインターンシップ等を通じて若者との交流ネットワークを構築します。併せて、就職の選択に大きく影響する高等学校教員や保護者とのネットワークを構築し、相互理解を促してまいります。
本事業は、桑名、津、松阪、鈴鹿・亀山(鈴亀地域)、上野・名張(伊賀地域)の各商工会議所が中心となり、行政、企業、高校が一体となって地域ぐるみの活動を行うことで、地域の若者(優秀な人材)を、中小企業がより多く採用・育成するようになり、多くの若者が地域で活躍するようになることを目的とします。
平成19年度は、昨年度に引き続き「桑名方式」とも言われる桑名商工会議所が中心となって実施しているインターンシップ事業を津、松阪、鈴鹿・亀山(鈴亀地域)、上野・名張(伊賀地域)の産業構造に応じて取り入れることで、若者と中小企業間のネットワークの構築を進め、併せて、地域企業の魅力発信、採用力向上を図ることにより、地域の中小企業の人材確保を支援いたします。
2.事業の背景
三重県の新規高等学校卒業者の雇用状況は、求職者数は横ばいの状態が続いていますが、求人数が増加傾向にあり、求人倍率は上昇しています。平成17年度は、求人数が6,410人、求職者数4,037人、求人倍率は、1.59倍となっており、このうち、就職決定者は3,966人であり、県内企業の充足率は61.9%と6割程度です。このことから、景気回復が進む中、地域中小企業の人材確保は困難になっていることがよくわかります。
18年度を1月末時点で比較すると、就職希望者数は前年同期比5.3%の増加に対し、求人数は17.6%増加しており、企業にとってはますます厳しい状況となっています。
3.各地域の現状
【桑名地域】
桑名地域は、全国有数の工業県である三重県の製造業の一翼を担い、地場産業である鋳物を中心とした金属機械工業の他、輸送機械や電気機器などがたいへん盛んな地域です。大手の立地工場もありますが、大手企業の傘下に入らず独自の技術を持った中堅企業が多くあることも特徴です。
製造業が盛んな同地域で、地域産業界の発展に貢献できる技術者を育成してほしいという地域からの要望により、桑名工業高等学校が設立されています。
しかし、桑名地域では主となる産業があり、その中でも特色のある企業がありながら、名古屋圏に属するため、県外に優秀な人材が流出しがちです。地域産業界からは、「せっかく育てた人材が地域外に流れてしまっている。寂しい、残念です」という声が多く聞かれます。
【津・松阪地域】
津地域、松阪地域は製造業の集積もありますが、卸売・小売業、サービス業や飲食宿泊業のウェイトが高い地域となっています。
津地域は地域内やその周辺への就職割合が高いですが、松阪地域は大企業が少ないこともあり県外への流出割合がやや高くなっています。
両地域とも、職業系の高校であっても、高校、企業双方から「正社員として就職せずフリーターとなる」、「就職しても直ぐに辞めてしまう」などという声が多く聞かれます。
その理由として「地元に満足できる、思うような就職先がない」「どうも自分には向いていない・・・」というような声があります。
【鈴亀(鈴鹿・亀山)地域】
鈴鹿市には、ホンダを中心とした自動車関連企業、亀山市には、シャープを中心とした液晶関連企業の集積があり、製造業を中心に地域に働く場が多くあります。
鈴亀地域の地元への就職率は、比較的高いのですが、大手メーカーの求人が多いことから、中小企業にとっての採用は厳しい状況にあります。
鈴亀地域では、鈴鹿市の方が高校の数も多いこともあり、亀山市から鈴鹿市の高校に通学している生徒も多くいます。亀山市の生徒からは、鈴鹿市の高校に通学していてもインターンシップは亀山市の企業で行いたいという声が上がっているため、鈴鹿商工会議所と亀山商工会議所が連携して取り組んでまいります。
【伊賀(上野・名張)地域】
伊賀市には、一般機械や輸送用機械、また、医薬品、化粧品、医療機器などの薬事関連の企業が集積していますが、名張市は、目立った産業集積はなく製造業のウェイトは低いです。
伊賀地域には独自の文化が根付いており、大阪圏にあるものの、県外への流出率はそれほど高くはないのが現状です。
伊賀地域でも、高校に関して鈴亀地域同様の傾向があり、名張市から伊賀市へ通学している生徒が多くいます。伊賀地域においても、上野商工会議所と名張商工会議所が連携したインターンシップ事業を進めてまいります。
そこで、このように桑名・津・松阪・鈴亀(鈴鹿・亀山)、伊賀(上野・名張)地域の現状を把握し、既に各地域で行われているインターンシップを足掛かりに、企業と若者(高校生)とのネットワークを強化し、地域企業の情報発信、採用能力を向上させることで、高校新卒者の確保を図ってまいります。
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